天なびコラム

第6646話

2019年01月07日

雪は天からの手紙

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。早いもので7日経ちましたが、皆さまは年始をいかがお過ごしでしょうか。私は年賀状の確認などに追われていました。年賀状の文化といえば日本だけではなく近隣国の中国でも、新年の挨拶にお手紙を送る文化があるそうです。以前、中国人の知り合いと年賀状を出し合ったことがありますが、頂いた文は日本の葉書1枚ではなく、とても煌びやかな獅子を描いた大きな封筒で新年の挨拶をもらいました。受け取った時はとても感動したことを思い出します。

手紙と言えば「雪は天からの手紙」という中谷宇吉郎先生の名文句を思い浮かべます。自然の雪の結晶を観察・記録、室内実験により結晶の再現を行い、雪の結晶を分類しました。室内実験により人工的な雪を生み出すには容易なことではありませんでしたが、中谷先生の努力により、上空の大気の状態によって結晶の形が異なることを明らかにしました。そして最終的に上空の気象条件を地表に降った雪から推定することが可能であることがわかり、「雪は天からの手紙」という言葉を残されたのでした。

中谷先生の功績を称えた、石川県にある「中谷宇吉郎 雪の科学館」に一度足を運んでみたいと思っています。

執筆者:阿波狸