天なびコラム

第6671話

2019年02月01日

I'm so SAD!

エルニーニョ現象の影響なのか、今季の本州太平洋側は暖冬傾向にありますが、例年に比べると、関西では冬らしい晴天日が少なくて、曇や雨の日が多いように感じます。
こう愚図ついた日が続くと、気分も滅入ってきますが、これは「季節性うつ」「季節性情動障害」などと呼ばれる冬季によくある症状です。(英語ではSeasonal Affective Disorder、通称SAD!!)

冬(特に冬至の頃)は、ただでさえ昼が短くて日照時間が少ないのですが、天候が崩れると、ますます日照時間が減ってしまいます。人体への日照(光の刺激)が減ると、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質が減少して、抑うつ状態に陥ったり、メラトニンの分泌が遅れて、体内時計が狂って寝付きが悪くなったりするのです。

アメリカでは、シアトルで自殺者が多いという都市伝説がありますが、日照時間の少なさと都会生活のストレスが原因と、尤もらしく理由付けされています。(実際の自殺死亡率No1は、都市別だとラスベガス、州別だとアラスカ州だったりします。失業率なども関係あるでしょう。)
アメリカの北西太平洋沿岸部は、冬は曇天続きで、夏は霧が多発して(フォガスト:Fogust=Fog+Augustと自虐するぐらい)、年間を通じて日照時間が少なく、ニルヴァーナのカート・コバーンが猟銃自殺したときも、「あそこ(シアトル)は陽当たり悪いからなあ…」などと皮肉られたものでした。

日本でも、都道府県名は挙げませんが、北日本の日本海側で自殺死亡率が高いようで、日照時間と何らかの(逆)相関がありそうです。
SADを治すには、日光浴などの光療法が有効とされています。さあコラムを読んでいるあなた!!貴重な晴れ間が現れたら、部屋に閉じ籠もっていないで、外に飛び出そうぜ!?
(などと書いている自分は、部屋に閉じ籠もっていたりします。だって寒いんだモン…。)

執筆者:風来坊