天なびコラム

第6680話

2019年02月10日

ブライトバンド層

気象レーダー画像を見ていると時々レーダーサイト周辺を囲む円形のエコーを見ることがある。読者の皆様も見たことがあるのではないでしょうか。

雲中の水滴は高高度では氷結している。この氷結した水滴(雪片)が落下する過程で気温0℃付近の層(融解層)に達すると融解し始める。この時雪片は、周りが融解し始め形状が縮まり雨滴粒子のように小さくなるが、初期の過程では雪片の表面のみが融解し、見かけ上大きな粒子が存在しているかのように見える。これがレーダーでは、強いエコーとして観測されるため、円形のエコーとして現れるのである。これをブライトバンドと呼んでいる。

ブライトバンドが顕著にみられるのは、特に冬季に出現しやすい。しばらくは、気象レーダーに着目してみるとブライトバンドを見ることができると思われる。

最近では、2019年2月6日09時頃に気象庁室戸レーダーにてブライトバンドが見られていた。



執筆者:阿波狸