天なびコラム

第6688話

2019年02月18日

あいの風

2月も半ばを過ぎました。明日は二十四節気の雨水。暦通り、日本海側の天気予報も雨マークが目立ち始めています。
ところで先日、富山に出かけたときに「あいの風とやま鉄道」を使いました。また「輪島で『あえの風冬まつり』が開催中です」と広告が出ているのも見つけました(このお祭りは昨日(17日)で終了)。「あいの風」や「あえの風」とはいったい何なのか。気になったので調べてみました。
これらは日本海沿岸で使われる言葉で、他にあゆ風と呼ばれることもあります。ただ意味を調べると「東風」「北風」「冬に吹く」「春から夏に吹く」「穏やかな風」「荒れた風」など解釈が様々です。元の意味はあったのでしょうが、地域で使われるとその土地の特性をもった風に当てはまるように変質したのでしょう。ただ、海から幸せを運んでくる風として印象よく使われていることは共通しています。
「あい」や「あえ」がどんな意味なのかも諸説様々です。いつ、どこで使われ始めたかもはっきりしませんが、万葉集にも詠まれていることから1300年近く親しまれている言葉といえるでしょう。
次に日本海を訪れたときには、海辺で幸せを運ぶあいの風に吹かれてこようと思います。

執筆者:西