天なびコラム

第6706話

2019年03月08日

はるさめ

3月に入って一週間が経ちました。最近の天気を振り返ると「春に三日の晴れなし」のことわざ通り、短い周期で雨模様になっています。
ところで、「はるさめ」の文字を見て何を連想されますか。いまの季節だと文字通り「春の雨」を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、やはり「食べ物」のイメージが最初に湧くのではないでしょうか。
ただ食べ物の「はるさめ」も由来は「春の雨」です。もともと中国発祥で、輸入された当初は唐麺(またはタンミョン)と呼ばれていたそうですが、細くて透明な姿が「春の雨のようだ」ということで「はるさめ」の名前が広がっていきました。つまり日本独自の名前に変わって流通しているわけです。なるほど、夏の雨なら麺がもっと太そうですし、梅雨や秋雨はなんだか麺がすごく多そうで繊細なイメージに合いません。冬も雨が降りますが冷たい感じがするのでやはり合わないです。やはり雨にたとえるなら「春」がぴったりです。
ちなみに同じく中国由来の「はるまき」は立春のころに芽吹いた野菜を使うことから名づけられています。これは本家中国でも「春巻」と言います。
天気予報を見ると、また近々春雨が降る天気になりそうです。季節に合わせて「はるさめ」のたっぷり入った「はるまき」でも作ってみようかなと思います。みなさんもいかがでしょうか。

執筆者:西