天なびコラム

第7112話

2020年04月17日

今だからこそ

在宅勤務が続いているので、運動と気分転換のための散歩が日課となりました。空の眩しさや、風の冷たさが、通勤の時よりも敏感に感じられる気がするのは、目的地が決まっていないせいでしょうか。毎日ぐるぐる同じような場所を回っているのに、まったく飽きることがありません。

ただ、やっぱり、何かが足りない。。。それはおそらく「山」です。平野の中にあるうえに、周囲を建物に囲まれているため、自宅の周辺からは山を見ることができません。田舎育ちの私は、山が見えないと息が詰まってしまうようです。普段なら、週末に郊外に出かけることができますが、今はそれも叶いません。

そこでひらめきました。離れて暮らす父親に、春を迎えた故郷の風景を、時々写真に撮って送ってもらうことにしたのです。男同士なので世間話はあまり弾みませんが、風景写真を介してなら、より自然に連絡を取り合うことができそうです。そして父は凝り性なので、きっとこだわった「作品」を送ってくれることでしょう。それが今から楽しみです。

こんな状況下でもできること、今だからこそできること。様々な場所で、たくさんの人たちが、それぞれに工夫を凝らしているように感じます。私も自分の持ち場で、できるだけ笑顔で日々を過ごせるよう、ささやかでも知恵を絞り続けたいと思っています。


私のコラムは今回が最後となります。お読みいただき本当にありがとうございました。また、どこかで、お会いできる日が来ることを願っています。


執筆者:ヒョウタン