天なびコラム

第7142話

2020年05月17日

サンゴの産卵シーズンです。

5月も中旬が過ぎ、沖縄では梅雨に入りました。

沖縄本島では、例年5月初旬〜下旬がサンゴの産卵時期になります。
全ての種類のサンゴが卵を産むわけではありませんが、皆さんがよくテレビ等でご覧になる枝状のサンゴの多くは、卵を産んで繁殖をするのです。

サンゴは、産卵の数週間前から卵を体の中に準備し始め、1週間前ほどになると近くで見れば肉眼でピンク色の卵を確認することができます。

産卵のタイミングを予想することは難しいですが、満月の夜に産卵することが多いと言われています。その理由は、満月の夜は大潮になるため卵が1か所に固まることなく遠くまで運ばれ、魚などに全て食べられてしまうことを防ぎ、より広い範囲に生息域を広げるためではないか、と考えられていますが、他にも私たちがまだ解明できていない理由があるのかもしれません。

さらに驚くべきことは、産卵の準備が終わっているサンゴがあっても、1個体だけ先に産卵を開始することはあまりなく、たくさんのサンゴ達がほぼ同時に産卵を開始する現象が多々見られることです。

一度にたくさんのサンゴが同時に産卵することで、卵が全て魚などに捕食されるのを防ぎ、卵の生存率を向上させることができると考えられますが、サンゴは、私たちに聞こえるような声や音も出していないはずなのに、夜の海の中でまるで打ち合わせをしていたかのように一斉に産卵を始めます。これにも、私たちがまだ解明できていないサンゴ達のコミュニケーション方法があるのでしょうか。

今回は毎年のサンゴの産卵の不思議についてでした。


執筆者:みっちー