天なびコラム

第7230話

2020年08月13日

うだる

暦の上では秋ですが、夏らしいギラギラとした日差しが照り付ける厳しい残暑が続いています。
ところで、今のような湿度の高い暑さを表現するときに「うだるような」とつけることがあります。「暑」の字にも「よどみあつまる」の意味を含んでおり、転じて「むんむん」とすることを表しますが、「うだる」がつくとさらに、夏の蒸し暑さを表すことになります。うだるを漢字で書けば「茹だる」。ゆでる(茹でる)と同義です。つまり「うだるような暑さ」と言えば、ぐらぐら煮立って、むんむんとしている鍋の上に立っているような状態でしょうか。
これからしばらくは予報の原稿に毎日のように「蒸し暑い」「うだるような暑さになる」と書く日が続きそうです。それだけで少し気が滅入ります。夏だから仕方がないのですが、はやく「さわやかな」といった表現ができる原稿を書きたいと思う今日このごろです。

執筆者:西