天なびコラム

第7280話

2020年10月02日

ポスターの微妙な変化

夏の間はエアコンの除湿機能がフル回転でしたが、9月になると除湿では冷え過ぎてしまい、なかなか除湿のできない日がありました。
70%台の日が続いたある時、壁に貼っているポスターが大きくたわんでいることに気付きました。
それまでピンと張っていたはずなのに横から指が2〜3本入るほどたわんでしまい、何かの拍子に引っ掛かって破れてしまうのではと暫く心配に思っていました。

そして最近、ようやく訪れたスッキリした秋晴れの日に、窓を開けて思いっ切り風通しを良くした所、部屋の湿度が一気に40%台まで下がりました。
季節柄当然とはいえ、ここまで低くなるのは久し振りです。
そこでたわんだポスターをふと見ると、元のピンと張った状態に戻っていました。
湿度が変わるとたわみも変わる、まるで簡易の湿度計のようです。

紙が湿気で波打ったり丸まったりというのは、多くの方が経験したことがあるでしょう。
今回も何となく、「たわみの原因は湿気」だと読んでいて皆様疑わなかったと思いますし、私も湿気のせいだとすぐに分かりました。
改めて詳しく調べると、紙の原料であるパルプ繊維自体が持つ、親水性が高いという性質に原因がありました。
水分を多く含むと繊維が伸びてしまうため、紙の形状にも変化が出るそうです。
よく見かける紙の端だけが波打った状態は、紙の中央より端の方が湿気を多く吸い、繊維の伸び方に差が出ることで生じるとのこと。
逆に、紙が乾燥すると吸った水分が飛んで繊維が縮むため、ポスターは今になって元に戻った訳です。

以上のことからも、ポスターは湿気が多い時期に貼るのが、たわみを防げて良いということになります。
覚えてはいませんが、恐らくたわみが発生したポスターは比較的乾燥していた時期に貼ったのだと思います。
私の場合は全部趣味のポスターですが(笑)、1年分が1枚になったカレンダーやお子様の勉強用の世界地図など、壁に貼る機会は意外とあるのではないでしょうか。
どうしてもたわむのが嫌な場合は、紙質にもよりますが少しだけ霧吹きをしてから貼ると効果があるらしいです。

紙というあまりに身近なものも、季節の変化は敏感に受け取っていました。
些細なことではありますが、こういった変化に気付いたのもステイホームで家で過ごす時間が増えたからかもしれません。


執筆者:そふぃー