天なびコラム

第7282話

2020年10月04日

(x+8)×5÷9でわかること

10月に入りました。私の住む町では日中はまだ汗ばむことがありますが、朝晩は羽織るものが欲しく感じます。みなさんはいかがでしょうか。
ところで秋は虫の声が夜空に響く季節でもあります。先日、大阪の万博公園内にある「自然学習館」に立ち寄った所、興味深い展示を見つけました。タイトルは「コオロギの鳴く回数から気温が計算できる!」。その式が(x+8)×5÷9です。xは15秒間にコオロギが鳴く回数になります。たとえば15秒間にコオロギが20回鳴いたとすると(20+8)×5÷9=15.6℃になります。
この数式を唱えたのはアメリカの教育学者であるJanice VanCleaveさん。その著書である「Biology For Every Kid」でコオロギの鳴く回数と気温の関係を紹介されています。昆虫は変温動物なので気温の影響を強く受けます。気温が低くなると動きが鈍くなるためコオロギの鳴く回数も減ってしまうわけです。ただこれを数式化したのはさすが科学者です。
コオロギにもいろいろ種類があるのでこの式で計算した値が正しいとは限らないのですが、夜の散歩のついでに温度計を片手に検証してみるのも面白いかもしれません。お試しあれ。

執筆者:西