天なびコラム

第7327話

2020年11月18日

大気の可視化

自宅周辺の田んぼでは、煙突が突き刺されたもみ殻の山が見られる。その煙突からは終日煙が立ち昇っている様子が見える。この煙突から出る煙を観察していると、空高くまで昇っているときもあれば、数100m上空で水平に漂っている時もある。後者は、秋晴れの明け方に多く見られていた。これは紛れもなく、気温の逆転層が形成されていることを示している。大気は透明の空気の層が重なっているが、煙により空気が可視化されることで不思議な光景を見ることができる。

煙にまつわる不思議な現象として、高さの違う複数の煙突がある場所では、稀に2つの煙突の煙の流れ方が異なっているときがある。例えば、低い方の煙突は南風で北側に煙が流されているのに対して、高い方の煙突は西風で東の方へ流されていたこともある。煙を観察することで、上層の気流を知ることができ面白い。

普段、何気なく見ている煙であるが、空気の流れ、大気の状態を知る手掛かりになる。皆様も観察してみてはいかがでしょう。




執筆者:阿波狸