天なびコラム

第7364話

2020年12月25日

奄美群島とクリスマス

12月25日といえばクリスマスですが、鹿児島県の奄美群島が、戦後のアメリカ統治から日本に返還された日でもあります。

1953年の12月25日、奄美群島は晴れて日本に復帰したわけですが、それまでには島民たちの大変な苦労があったようです。

アメリカ統治下の奄美群島は本土と分断され、様々な苦境に立たされました。
特に経済状況は深刻で、島は慢性的な物資、食糧不足に陥りました。

一方本土では、戦後の混乱を徐々に抜け出し、復興への歩みを着実に進めていました。

豊かな生活を手に入れるため、本土への復帰を夢見た島民たちは、激しい抗議活動を行います。

復帰を求める集会が何度も行われ、署名活動では、14歳以上の在住者の99.8%を達成したそうです。
また、集落、村単位での大規模なハンガーストライキも行われました。

それに対しアメリカ側も、抗議活動の参加者に厳しい取り調べを行うなど、強硬な姿勢をとりました。
しかし、島民たちは決して諦めることはありませんでした。

そしてついに1953年8月、アメリカのダレス国務長官は声明を発表し、奄美群島の本土復帰が決定します。

苦労の末に実現した本土復帰は、島民たちにとって最高のクリスマスプレゼントになったに違いありません。


執筆者:クリプトメリア