天なびコラム

第7380話

2021年01月10日

霧の箱根

お正月は、テレビで箱根駅伝を観るのが毎年恒例となっており、今年も新年早々手に汗握る展開を楽しみました。
観光地としても有名な箱根は、神奈川県西部の山あいに位置しており、神奈川県民の私にとっては、小学生の時の林間学校の行き先でもありました。
その林間学校以来箱根を訪れることがなかったのですが、先日機会があって久し振りに箱根方面へ足を運びました。

今回は箱根登山電車に乗りました。
関東を直撃した2019年の台風19号の被害を受け、暫く運休が続いていましたが、昨年夏に全線運転再開を果たした鉄道です。
レトロなデザインの電車に乗って、スイッチバックをしながら徐々に山を登っていき、車窓を見て風景を楽しむ…はずでした。
登るに連れて景色は白さを増し、気付いたらすぐそこの景色さえも見えなくなる始末。
この日の箱根は濃霧でした。

午前中が雨で、午後からは雨脚が弱まったものの、風が冷たく日中も冷え込んだ1日でした。
湿度が高く気温が低いということで、霧の発生条件としては十分です。
なかなかの濃い霧で、電車を降りて辿り着いた美術館も一面白で覆われており、夕方になって日が落ちると、美術館の敷地内はホラー映像のようでした(笑)

霧は秋の季語になっていますが、箱根の場合は秋以外も霧がよく見られ、梅雨時にも頻繁に発生するそうです。
特に箱根駅伝往路のゴール地点でもある芦ノ湖は、辺り一面霧がたちこめると雲海が見られることも。
今回は行きませんでしたが、温泉に浸かりながら霧の箱根を見渡すなんて楽しみ方もこの日ならできたかもしれません。

個人的には、登山電車と美術館で霧の箱根の幻想的な風景を十分満喫できましたが、歩いての登山や車の運転中に遭遇する濃霧は危険もありますのでご注意を。
残念ながら再度の緊急事態宣言で今は足を運びづらいかもしれませんが、晴天だけでなくこういった不思議な光景を狙いに箱根へ行くのも如何でしょうか。


執筆者:そふぃー