天なびコラム

第7890話

2022年06月04日

回転そうめん実験

ここ数年、テーブルの上に置けるサイズで自動で水流を作って流しそうめんができる、流しそうめん機をよく見かけます。ホームセンターなどに売っている流しそうめん機を見るたびに、ちょっと欲しいなあと思います(まだ1つも買ってないのですが)。
ウォータースライダーのような凝った形のものも目を惹きますが、私が特に気になるのが、円形で、底面が黒いもの。こんなことを考えるのは私だけかもしれませんが、内側と外側に温度差をかけて回したいと思います。

偏西風波動を机の上で再現する実験として、回転水槽実験があります。
言葉だけではちょっと説明しにくいのですが、「回転水槽実験」と検索すれば実験方法の詳細や動画も出てくると思います(※決まった名称はないようですが、こう検索すると一番検索結果が多いです)。
水槽の中の高温域と低温域の間で熱がやり取りされるときに、熱対流とコリオリ力によってその間で生まれる波動を机の上で再現するものです。これは現実の地球上でも、暑い低緯度と寒い高緯度の間に発生する、中緯度の偏西風波動として観測されています。高層天気図でしか見ないような地球規模のことが、机の上できれいに再現されるのを眺めるとちょっと感動します。
こんなことを考えるのは私だけかもしれませんが、きれいな円形の流しそうめん機を見ると、回転水槽実験を思い出すのです。

まだ一度も試していないのですが、そうめんはすぐ沈んでしまってうまくいかないのではと思うので、すりごまなどを浮かべるとわかりやすいかもしれません。波動がきれいに見えるような温度差、回転速度、浮かべる薬味をいろいろと試してみると面白いかもしれません。
市販の流しそうめん機はどれもそのままで回転水槽実験には使いづらく、改造が必要になると思いますが(改造する場合、メーカーの保証対象外となる場合がありますので自己責任でお願いします。でも、回転水槽実験が面白いことは伝わってほしい。)、そんな考えがぐるぐる回っているこの初夏です。


執筆者:ありんこ