天なびコラム

第7899話

2022年06月13日

昔の広告

先日、大阪中之島美術館に行ってきました。
「みんなのまち 大阪の肖像」という展覧会が開催されており、明治・大正・昭和戦前の大阪の街並みが描かれた絵画や出版物の表紙、駅広告などが多数展示されていました。カラー写真のない時代の風景が絵画として鮮明に残されており、時代の移り変わりとともに変化し発展していく様子に感銘を受けました。

当時、広告といえば駅構内や電車内のポスター、新聞広告が主流だったそうです。電車内のポスターを見て、当初予定していた行き先を変更する方までいらっしゃったとその時代の書籍に残されていました。今ではネットやSNSで行き先の写真や口コミなど、情報をたくさん入手し、他の場所とも比較することができます。そのため途中で行き先を変えるということはあまり考えられず、当時の紙媒体の影響力の大きさを感じます。
新聞広告で印象に残ったのは「あつい大阪 すずしい箕面」という文字広告です。今でも「大阪 避暑地」と検索すると箕面市を含む記事が多く表示されます。今も昔も、森や滝など自然が多く市内よりも涼しいという認識であることに、変わっていくことばかりではないと感じました。

現在は新聞よりもネットニュースを見ている人の方が多く、紙媒体から情報を取り入れる機会は少なくなったように感じます。
美術館の帰りの電車で久しぶりに真剣に中吊り広告を見たところ、近所のイベント情報や観光地、書籍、大学と様々な情報が掲載されていました。
スマホで自分の必要な情報だけを調べるのではなく、ふと周りを見てみると思いもよらない新たな情報に触れ、もしかしたら行き先を変えるなんてこともあるかもしれないなと思います。


執筆者:きのみ