天なびコラム
第8374話
2023年10月01日
メタの実
道端の街路樹が実をつけているのを見て、以前通っていた学校にあったメタセコイア並木のことを思い出しました。
メタセコイアは針葉樹の一種で、公園などによく植えられている背の高い木です。
大きなものでは高さ50mほどにもなるらしく、小規模な並木道もちょっとした林のように見えてしまうような存在感があります。
印象に残っているのはその実の形状です。球果と呼ばれるもので、その一種である松ぼっくりとも見た目が似ているのですが、球体に規則的なひびが入ったような、パーツを集めて作る立体パズルのような、独特の形をしているのです。
なんとなく拾って眺めたくなるような不思議な造形の魅力があり、リース作りなどのクラフト材料としても人気があるようです。
メタセコイアは絶滅して化石の中にしか残っていないと思われていたものが中国の一地方で見つかったという逸話があり、生きた化石ともよばれるそうです。
空にそびえたつメタセコイアの樹と足元に転がる奇妙な実を眺めていると、古代地球にタイムスリップしたかのような気分になり、数千万年前から変わらない姿に感銘を受けたのでした。
執筆者:みみた