天なびコラム
第8386話
2023年10月13日
カメムシの経験則に対する連想ゲーム
最近は季節柄なのか、カメムシを方々で見かけます。周りの人たちに聞いてみても、今年はカメムシが多いというのをよく耳にします。ところで、「夕焼けならば翌日は晴れ」というようなカメムシに関する「経験則」があるのはご存知でしょうか?それは、「カメムシが大量発生する年の冬はひどい寒さとなる」というものです。
夕焼けならば翌日は晴れ、というのは、「夕焼け」という現象が、「西側の空の天気がよい」と言い換えられることができ、さらにこの上に「天気が西から東に移り変わる」という知識を加えることで、なぜ、夕焼けならば翌日は晴れ、になるのかが、(比較的)論理的な飛躍なしに説明できるようになります。平たく言えば、夕方の西側の空は明日の空の次回予告をしている、という表現がわかりやすいかもしれません。
では、カメムシが大量発生する年の冬がひどい寒さになるのはどうしてでしょうか?ネットを調べてみても、AIに聞いてみても、これといった答えは見つかりませんでした。AIは突拍子もないことを聞いたせいか、いつもの他の質問に対する自信満々な感じとは違い、回答の生成の進みもよくありませんでした。
そこで、連想ゲーム的に少し考えてみました。カメムシが大量発生するということは、その前にある事象が影響を与えている可能性があると考え、今年の夏は暑かったなあ、と思ったので、暑すぎることが何らかの原因を及ぼした可能性が指摘できます。例えば、天敵の動物が熱中症になり、夏の間にカメムシを捕食できなかった、とか、実はカメムシはすごく暑さに強い、とか、そういった連想ができるでしょうか。夏の暑さが厳しい年は、冬の寒さも厳しいという季節の特徴が強く出る現象は、「ラニーニャ」と呼ばれ、(気象業界では)一般によく知られていたりします。ロジックの順としては、
@夏が厳しい暑さ→暑いことで生じる何らかの要因→カメムシ大量発生
Aラニーニャの状況が続く→夏が厳しい暑さ→冬が厳しい寒さ
の2つを組み合わせることで説明できなくもないかなと考えました。あくまで連想ゲームですので、あっている保証はありません(笑)
このように論理的飛躍を感じるような経験則の裏にどういうロジックがあるのかというのを考えてみるのも面白いなぁと、思っているうちに、カメムシがいなくなっていく季節がほどほどの寒さでやってくることを強く祈っています。
執筆者:うらしま