天なびコラム

第8393話

2023年10月20日

秋はいつ?

「秋」がどの期間のことを指すのか考えてみます。暦の上では立秋から立冬前日、すなわち、8月7日頃から11月6日頃ということになりますが、8月は夏の真っただ中であまり秋の気配を感じ取ることはできないかもしれません。天文学的季節で秋分から冬至の前日、すなわち、9月23日頃から12月21日頃を持ち出してくると、確かに9月下旬が秋だというのは納得できる一方で、12月の大半も秋と呼ぶのは些か長すぎる気がします。
やはりしっくりくるのは「9月、10月、11月」でしょうか。気象庁の季節区分でもこの3か月を採用していますし、多くの方の「秋」のイメージに合っているのではないかと思います。とはいえ、この捉え方に対してさえも首を傾げたくなるほどに今年は「秋」が見当たりません。

いつまで経っても暑さの波が引かないなと思っていたら、間もなくして「あれ?冬型?」という天気図が顔を出しています。まだ秋の味覚を楽しんでもいないというのに足早に過ぎ去られては困ります。秋はどこへいってしまったのでしょうか。
試しに何地点かアメダスのデータをダウンロードして日最低気温の推移をグラフに描いて調べてみました。その結果見えたのは、今年の9月は平年の8月並みの高温を記録していたのが、10月に入ると一転して気温が下がり平年並みか平年以下の状態になっているという傾向です。地域にもよりますが、今はさながら晩秋ということになります。これでは9月がなかったも同然で、道理で秋らしさを肌で感じられなかったわけです。この先、秋らしい過ごしやすい日々が戻ってくるとよいのですが…

近年は「秋が束の間のように感じる」という声をよく耳にするような気がしますが、今年は輪をかけて短くなってしまうのかもしれません。今週末は日本付近に今季一番の寒気が流れ込み、北日本では山地でなくても雪が降りそうなほどです。季節変化が急なので、服装や体調の管理に気をつけて過ごしていきましょう。


執筆者:きぼりぐま