天なびコラム

第8409話

2023年11月05日

味覚の冒険

私は春に関西へ引っ越して以来、買ってくるお米ががらりと変わりました。物流圏がまるで違うのでスーパーに並ぶ生鮮食品の産地はどれもこれもあまり自分のイメージにはない地域なのですが、お米も北海道・東北中心のラインナップから福井・滋賀・京都・兵庫といった顔ぶれになっています。産地が違うだけではなく品種名も聞き慣れないものばかりで、どれを買ったらいいものかと思いながらもいろいろと試しているのです。

そんな私ですが、先日秋田県産の新ブランド米を買ってみました。
出張でよく秋田に行くのですが、空港・駅・役所・スーパー・道の駅などなどあちこちで宣伝していたので、すっかり頭に刷り込まれて気になっていました。その名も「サキホコレ」。なんだか縁起のいい感じ(?)がします。食べてみると、粒が立っていて食感がよく、噛めば甘みや粘りを感じるもののそれが後に残らずあっさりとしている気がしました。
ひさしぶりに東北産のお米にもどってみましたが、甘くてもちもちとした「ひとめぼれ」で育った私からすると、慣れ親しんだ味とはまた違うタイプのお米で楽しめました。

近年はおいしさを求めたブランド米が続々と登場していますが、品種改良には味の向上だけでなく環境耐性の強化という側面もあります。今年は猛暑の影響が稲の生育状態に影響して品質が下がってしまったというような話も聞きますが、暑さに強い稲を目指して試行錯誤しているのも新品種開発の研究員や農家さんです。
毎日のように食べるものですし、一度にまとまった量を買うので、普段とちがうお米を買うのは自分の好みに合うかなとちょっとどきどきしますが、未来のお米を守るために努力している米作りに携わる方々への応援の気持ちも込めて、いろいろなブランドのお米を食していきたいと思います。


執筆者:きぼりぐま