天なびコラム

第8417話

2023年11月13日

見たことのない新しい世界

アラジンとジャスミンが魔法のじゅうたんに乗って「A Whole New World」を歌いながら世界中を飛び回るシーンが子供の頃から好きです。まだ見ぬ世界を見てみたい興味が今になっても尽きません。世界というのは場所というだけでなく、社会の構造、立場、何でもです。

とはいえ、人生の半分は過ぎたであろう今でも、私が見てきた世界はほんの僅かです。インターネットや本の中であらゆる世界の「知識」を得ることは出来ますが、実際に自分の目で見て体感したものでないと「見識」は得られないということを、この歳になってようやく痛感しています。果てしなく広いこの世界のことを、限りある命の中であとどのくらい知ることが出来るでしょうか。

先日、家族でインドネシアのバリ島を訪れました。来年から小学校に入る娘にどうしても海外を体験してもらいたくて、1週間ほど行ってきました。思い切り仕事に穴をあけてしまいましたが、、。
バリ島は赤道のすぐ南、ジャワ島の東隣に位置する常夏の島です。バリ島は11月から3月にかけて雨季に入るのですが、今年はエルニーニョ現象の影響か、1週間1度も雨が降らず、晴天に恵まれました。超が付く晴女の娘に感謝です。

バリ島には私の好きなものがたくさんあります。まずはフランジパニ(プルメリア)の香り。バリ島では神聖な花として毎日神様にお供えする白と黄色の花です。街中の至る所にあって、落ちた花びらを香るだけでも幸せな気分に浸れます。
次はインドネシアの民族音楽「ガムラン」の音色。複数の鍵盤楽器が奏でる音が心を落ち着かせてくれます。
それに、フルーツが苦手な私が唯一大好物な「ドラゴンフルーツ」や、ジャコウネコの糞から採られる未消化のコーヒー豆「コピ・ルアク」を使った激苦コーヒーも大好きです。

ここまで書いていて自分自身でも私得な旅だったなと思い返してしまいますが、娘にとって、日本では見られない美しい海と大自然、言葉や文化をどのように感じてくれたでしょうか。
バリ島では街やホテルですれ違う人が皆「Good Morning」「good evening」「Selamat pagi(おはよう)」と笑顔で挨拶をしてくれたことが心に残ったのか、帰国してからも娘は「おはようございます!」「こんにちは!」と、散歩中にすれ違う人にでさえ自分から積極的に挨拶をするようになりました。これだけでも行って良かったかなと感じています。

見たことのない新しい世界。私もまだまだ世界を広げたいのですが、娘にも私が動けるうちに少しでも多くの世界を見せられたらな、と思っています。

執筆者:そら