天なびコラム

第8481話

2024年01月16日

美しく青きドナウ

先日、オーストリア・ウィーンから来日した管弦楽団のニューイヤーコンサートに行ってきました。
ウィーン・ワルツの作曲家ファミリーであるヨハンシュトラウス1世と2世の馴染みの曲に、心から感動しました。私が一番楽しみにしていたのは、美しく青きドナウという曲です。

十年前にドイツ留学をしていた時に、この曲に出てくるドナウ川に行ったことがあります。
上流にある音楽の都ウィーンや中流のハンガリーの国会議事堂近くの川沿いを散策したのですが、実際のドナウ川は、上流と中流でその様相が違っており、上流はまさに美しく青きドナウ川でしたが、中流ではハンガリー大平原を貫流する穏やかな流れが続く大河の景色で、曲調とはまた違ったドナウ川でした。

作曲された150年以上前の当時のドナウ川は、また違った景色だったのかもしれませんが、この曲はきっとウィーンの川沿いを表現しているのだと、頭の中でウィーンの美しく青きドナウ川を想像しながら、曲を聴いておりました。

音楽は掴むことも、見ることも、触ることもできません。
おまけに、瞬時に消えてしまうものですが、その時々で素敵な景色を生み出せるものです。また、素敵な音楽と景色に出会いたいと思います。


執筆者:レインボー