天なびコラム

第8616話

2024年05月30日

今夏も猛暑。その一因は?

もう5月が終わり、夏本番が目前。

昨夏はかなり暑かったことは記憶に新しいですが、今夏も猛暑になるかもしれないことが、今月21日に気象庁から発表されました。
というのは、今年の夏から秋にかけてラニーニャ(La Nina)現象が発生する可能性が高いからです。

ラニーニャ現象とは、海水温が太平洋の西側(インドネシア付近)で例年より高くなり、一方で東側(ペルー付近)で低くなる現象のことです。
その要因は、太平洋の赤道付近で東から吹いてくる貿易風が強まることです。
(字面だけではわかりづらいので、なんのこっちゃ?となった方は「ラニーニャ現象」と画像検索してみてください。)


では、日本とは離れたところでの海水温の話なのに、それがどうして日本の夏の暑さに関係するのか?

まず、インドネシア付近で海水温が高くなることで、その上にある大気が暖められ、上昇気流が活発になります。

すると、日本の南では、その上昇した空気が流れ込んでくることで高気圧が発達します。
気圧とは、その地点よりも上空にある空気の総重量のことです。

そしてその高気圧から、暖かい空気が日本へ流れ込むので、日本は暑くなります。
風は気圧が高いところから低いところへ吹くからです。


気が早い話ですが、もしかしたら来夏も猛暑かもしれません。

なぜなら、ラニーニャ現象は、その年だけでなく翌年も発生する傾向があるからです。
実際に、2020年から2022年にかけてはラニーニャ現象が継続しました。


地球の遠く離れた場所で起きている現象が、回りまわって日本の天気に関係しているというスケールの壮大さに、私はロマンを感じます。
今夏、暑さにうんざりしたら、ラニーニャ現象のことを思い出してみてください。


執筆者:あでいにー