天なびコラム

第8624話

2024年06月07日

じゃのめ

この時期に口ずさみたくなる北原白秋作詞の童謡、「あめあめふれふれかあさんが じゃのめでおむかえうれしいな...」

己の無知蒙昧を恥じつつ申し上げますが、この「じゃのめ」って何でしょうか?ジャノメ?Janome?
目の前の賢い機械に教えを請うと、「蛇の目」、つまりヘビの目のように(?)同心円の模様のことをいい、その模様の(和)傘とのことで...。知りませんでした。

まず、「じゃのめ」から「蛇の目」への変換のところで第一関門、次に「蛇の目」が同心円模様を表すというところで第二関門、さいごに「蛇の目模様の傘」を表しているというところで第三関門。難しくないですか?

もっというと、同心円模様を「蛇の目」と呼称することに関して、「大概の爬虫類は似たような目なのにどうして蛇なの」とか「なんなら魚や鳥のほうが同心円の目を持っていないか」とか「そもそもあまり見たことないからピンと来ないし、喩えとして失敗していない?」等の疑問・不満も個人的にはわいてきます。
しかしながら、連想される神秘的なイメージからあえて蛇を選択する意図も理解できますし、「では同心円の模様をなんと喩えるか」と聞かれた時の適当な案もありません。恥の上塗りなので、これ以上の不満はやめて甘受することにいたします。

さて、この童謡が作られたのは大正時代のようです。
当時も嬉しかったのかもしれませんが、ビニール傘ばかりの令和の時代に、「じゃのめ」でお迎えに来てくれたら格別にうれしいかもしれません。
雨降りの日、お迎えに行くときはぜひ「じゃのめ」で。

執筆者:空手踊り