天なびコラム

第8631話

2024年06月14日

台風シーズン

5月26日にフィリピンで台風1号「イーウィニャ」が発生し、それに続き、同月31日には南シナ海で台風2号「マリクシ」が発生しました。
今年も台風シーズンが始まったということですね。

個人的に、近年で最も印象深い台風は「令和元年房総半島台風」です。
当時、私は横須賀に住んでいて、家から東京湾が見渡せて景色も良かったのですが、その台風が来襲した際は、これまでに経験したことのない暴風雨で家の中に居ながらも、風の吹きつける音が非常に怖かったことを覚えています。

台風が発生したという情報は、テレビやスマホのニュースで知るという方が多いのではないでしょうか。
例えば、「太平洋沖で台風1号が発生しました。」というように伝えられますが、実は、台風には色々な呼び方があることをご存じでしょうか。

2024年(令和6年)の台風1号を例にすると、まず、最も一般的なものは、メディア等で伝えられる「台風1号」という呼び方でしょうか。
また、気象庁による正式な表記は「令和6年台風第1号」で和暦と通番をあわせたものです。
さらに、学術論文等では、「台風2401号」や「2401号」、「T2401」という表記もされます。
これは、西暦の下二桁と通番を組み合わせたものです。

このように台風は、西暦や和暦、通番を組み合わせて表記されますが、その他にも冒頭で示したように台風は命名されます。

2024年の台風1号の名前は「イーウィニャ」です。
この名前は、世界気象機関(WMO)熱帯低気圧プログラムに属する、アジア・太平洋14か国・地域の気象機関で構成する台風委員会で定められ、各国が10個ずつ名前を提案しています。
アジアの台風の名前は140個あり、それらが概ね5年〜6年で一巡することになります。

最後に、気象庁では顕著な災害を起こした自然現象の名称を定めることとなっており、令和6年6月時点では、10個の台風に名称が定められています。
冒頭で印象に残っている台風として挙げた「令和元年房総半島台風」は、昭和52年の沖永良部台風以来となる名称がついた台風となりました。

色々な呼び方がある台風ですが、気象会社である我々としては、台風による被害を最小限に抑えるために、いち早く正確な情報を皆様にお届けできるよう努めて参ります。

出典)
気象庁, 台風の番号とアジア名の付け方:
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-5.html
気象庁, 気象庁が名称を定めた気象・地震・火山現象一覧:
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/meishou/meishou_ichiran.html


執筆者:ぺぽ