天なびコラム

第8635話

2024年06月18日

到達不能極

「到達不能極」という言葉をご存知でしょうか。
これは陸上で最も海から遠い地点、もしくは海上で最も陸から遠い地点のことです。
実際には地球上に実際する地点で、到達した事例もあるため「到達不能極」というより「到達困難極」と言う方が正確かもしれませんね。

では実際にどこにあるのでしょうか。
まず、地球上で最も海から遠い地点を紹介します。
こちらは海陸の定義などによりいくつかの説があるのですが、2007年の研究では中国の新疆ウイグル自治区内の地点で、海から約2,500km離れたところであるとされました。
到達事例があるのかは不明ですが、集落などから大きく離れており、容易に近づけない場所であることは想像できます。

逆に地球上で最も陸から遠い地点はどこでしょうか。
それは南太平洋のニュージーランドとチリのほぼ中間にある地点で、最寄りの島から約2,700km離れているそうです。
この地点はポイント・ネモ(ネモとは、ラテン語で「誰もいない」という意味)と呼ばれ、人間や生態系への影響が少ないと見なされてよく人工衛星の落下地点として採用されているそうです。
NASAの国際宇宙ステーションもこのポイント・ネモに落下させる予定だと発表されています。

最後に日本の到達不能極(日本で最も海から遠い地点)を紹介します。
これは長野県の佐久市と群馬県の南牧村の県境付近にあり、海からは約115km離れているそうです。
この地点については歩いて行くことができ、現地写真を観光協会に持っていくと「到達認定証」がもらえるなど、一種の観光地とされています。
軽井沢や八ヶ岳高原などの観光地から近いところですので、この夏に気が向いた物好きな方は行ってみてはいかがでしょうか(笑)


執筆者:ぴーる