天なびコラム

第8648話

2024年07月01日

最近の燃料コスト高騰の影響

最近、燃料代や電気代がどんどん高くなっていますね。これらのコスト増加は、私たちの生活に大きな影響を与えています。
航空業界も同様で、燃油サーチャージという形で、燃料費の変動を航空券の価格に反映させています。

飛行機の燃料消費について少し詳しく見てみましょう。
まず、気象条件は非常に重要です。強い向かい風や悪天候の中を飛行すると、エンジンにかかる負荷が増え、燃料消費も増加します。
次に、高度の影響です。飛行機は約10,000mの巡航高度で飛ぶと最も効率が良いとされています。この高度では空気密度が低く、空気抵抗が少ないため、燃料消費が抑えられます。ただし、過度に高い高度ではエンジン性能が低下し、逆に燃費が悪くなります。

温度も燃料消費に大きく影響します。寒冷な気候ではエンジンの効率が向上し、燃料消費が減少しますが、逆に極端な高温下ではエンジンの性能が低下し、燃料消費が増加します。
また、スピードについても触れておきます。巡航速度を超えると、空気抵抗が急激に増加し、燃料消費も増えます。 ウィングレットについても触れておきます。ウィングレットは飛行機の翼端に取り付けられる小さな垂直翼で、空気の流れを改善し、抵抗を減少させることで燃料効率を向上させます。この設計変更により、燃料消費が約4-5%削減されると言われています。これらの要素をバランスよく管理することが、飛行機の燃料効率を最適化する鍵となります。

さて、日本の発電方法についても考えてみます。
2022年度の国内の発電電力の割合は、化石燃料による火力発電が70%以上を占めています。次いで太陽光が9.2%、水力が7.6%、原発が5.6%、バイオマスが3.7%、風力が0.9%、地熱が0.3%となっています。
日本は依然として化石燃料に大きく依存しており、その価格変動が燃料代の高騰に直接影響を与えています。
こうした状況を踏まえ、再生可能エネルギーの利用拡大や燃料効率の改善がますます重要になっています。

執筆者:うさぎは