天なびコラム

第8663話

2024年07月16日

「料理のさしすせそ」の「さ」

皆さんは「料理のさしすせそ」をご存知でしょうか。
砂糖・塩・酢・醤油(せうゆ)・味噌の5つを指し、この順番で調味料を入れると料理がおいしくなると言われています。
どれも料理には欠かせませんが、今回は「さしすせそ」の「さ」である砂糖に注目してみたいと思います。

スーパーで買ってきたお肉に火を通したとき、水分が抜けてパサパサになってしまったり硬くなってしまうこと、ありますよね…(泣)
そんな悩みをサクッと解決してくれるのが、ひとつまみの砂糖です。

砂糖には「親水性」という「水となじみやすい性質」があり、お肉にしみ込んだ時に、お肉の水分と結びついて離さないようにはたらきます。
すると、本来は加熱したときにお肉から出てしまう水分がしっかりとお肉にとどまり、噛んだ時に肉汁がじゅわぁっと出てくるような、ふっくらジューシーで柔らかいお肉になるのです!
それに加えて砂糖には臭み消しの効果まであるので、もう入れない選択肢は無いですね。
ここで「お肉に砂糖をまぶしたら甘くなっちゃうんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、その心配も不要なんです。
砂糖は分子の大きさが大きく、お肉やお魚にしみ込みすぎないという性質も持っています。(逆に塩はよく染み込んでしまうので、さしすせその順番の通り、塩を入れる前に砂糖を入れると良いんですね!)
そもそもひとつまみの砂糖程度であればお肉全体が甘くなりすぎることもありませんし、砂糖で味が変わるのを怖がらずに一度入れてみることをお勧めします。
柔らかいお肉をいっぱい頬張って、あふれ出る肉汁とともに幸せを噛みしめてみて欲しいです!

よく「料理は化学だ」と言いますが、料理における砂糖にも沢山の化学が詰まっていましたね。
と、いうことは!台所に立つ人はみな化学者ってことで良いですかね!あれ、ダメかな?(笑)

執筆者:ねねここ