天なびコラム

第8695話

2024年08月17日

夏はウナギ

残暑といえども、毎日うだるような暑さが続いていますね。
夏に精を付けるということで、ウナギはいかがでしょうか。

実は、今から1300年前、日本最古の和歌集「万葉集」にも、ウナギをおすすめしている記述があり、夏痩せに効果があるとされていました。
エネルギー代謝に関係するビタミンB群が多く含まれているので、夏バテ予防にはぴったりですし、ビタミンAやビタミンEなども多く含まれているので非常に栄養価の高い食材です。

私の故郷である愛知県では、うなぎ料理の「ひつまぶし」が有名です。
ご飯にウナギのかば焼きを刻んだものと薬味を乗せ、お茶漬けのようにして食べると、あっさりしていて非常においしいですね。

そんなウナギも、実は自然界では数を減らしています。
ウナギは養殖しているから大丈夫じゃないの?という声も聞こえてきそうですが、現在のウナギ養殖の多くは、自然界で採取してきた稚魚(子供)を大きく育てて流通させているのです。

そこで、「完全養殖」といって、ウナギに産卵させ、仔魚(赤ちゃん)が生まれたら育てて、大きくなったらまた卵を産ませるといった一連のサイクルが成り立てば、自然界のウナギの保護につながるかもしれません。
現在、「完全養殖」は技術的には確立されていますが、まだコスト面の壁が高く、私たちが消費できるほど生産量を増やせるのはまだ少し先になりそうです。

ですが、技術は日々進歩していますので、日本の未来に期待して、この暑い夏を乗り切りたいものですね。

執筆者:うずしお