天なびコラム
第8714話
2024年09月05日
心落ち着く瞬間
まだまだ暑い日も多く、夜も寝苦しい時があります。
そんな時は、寝る前に、落ち着く音楽をかけて、瞑想をして、リラックスするようにしています。
皆さんは、心落ち着くルーティーンはありますでしょうか?
私は海の近くで育ったので、水中に潜っているときのことをイメージしています。
今でも趣味で、海に素潜りしに行くことがあるのですが、海面で息を止めて全身の力を抜き、リラックスして、海底に落ちるようにゆっくり潜っていきます。
聞こえてくるのは、水中の砂が擦れるわずかな音と、自分の心臓の音だけの、静寂な世界です。
海底について、周りを見渡すと、興味を示す魚たちが集まってきます。
海面から差し込まれる光のカーテンの中、ゆっくりと浮上を始めると、泡がはじけてキラキラと輝きます。息が苦しくなってくると、命の限界を感じます。
このまま上がれなかったら死ぬのだろうなと思いながら浮上して海面に戻ると、今日もちゃんと生きて戻ってこられたのだという、生の実感があります。
自分の限界が知りたくて息止めの練習をしたところ、数分間は息を止められるようになりました。
素潜りにも世界規模の競技があり、フリーダイビングといいます。
凄い選手になると、潜水深度は深さ200mにも達します。
無呼吸の静寂の中、水中で彼らは何を感じるのでしょうか。
おそらく、究極ともいえる無の境地にいるのだと思います。
生と死の狭間で、ただひたすらに自分と向き合う時間は、唯一無二だと思います。
そんな究極の境地には日常では中々たどり着けませんが、自分が落ち着く瞬間を心に持っておくと、少しは生きやすくなるのではと思います。
水中にいるときの生と死の狭間は、瞑想に近いのかなと思いました。
最近寝苦しい夜に思った、独り言でした。以上です。
執筆者:うずしお