天なびコラム

第8755話

2024年10月16日

秋空のカラクリ

10月半ばとなり、空は秋の顔を見せるようになりました。
秋空はどこか開放感があるように感じませんか?
それは雲が高い高度にできるからです。

では、なぜ秋はそうなるのでしょうか?

まず、秋は湿度が低く、雲を作るための水蒸気が少ないため、低い所で雲が発生しづらくなります。
一方で夏だとジメジメしているため、雲ができやすいのは想像しやすいのではないでしょうか。
夏の風物詩である入道雲は、背は高いものの、雲の底は意外と地上近くにありますよね。

また、秋になるとジェット気流がちょうど日本の上空を流れることも関係しています。
ジェット気流とは、まさに航空機が飛ぶ上空10km付近で新幹線並みの速さで吹く風で、偏西風の一部です。

そもそも偏西風は、季節によって南北移動しています。
夏に日本の少し北を吹いているのが、秋になると南下してちょうど日本上空にやってきます。

ジェット気流に沿って、ジェット巻雲と呼ばれる雲がしばしば発生します。
筆でサラッと描いたような雲です。
このジェット巻雲は高い高度でできるのです。

是非今、窓の外から空を眺めてみてください。


執筆者:れおねす