天なびコラム
第8790話
2024年11月20日
タイのランタン祭り
11月も中旬となり、秋が深まってきましたね。
この時期になると、日本から南へ4000キロ、タイ王国でもお祭りが行われます。
夜に、火がついた沢山のランタンを一斉に空へと上げる、「コムローイ祭り」というものです。
ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」でもランタンを空に上げるシーンがありますが、このモデルになったのがコムローイ祭りです。
夜空がオレンジ色のランタンで埋め尽くされるこのお祭りはとても幻想的で、世界中から大勢の観光客が訪れるほど人気があります。
過去に私も、コムローイ祭りに参加できるチャンスがありました。
当時、タイで長期の留学をしており、現地のタイ人の友人に、ぜひ自分もコムローイ祭りを見てみたいと相談したところ、友人曰く、「コムローイ祭りが行われるチェンマイという都市は非常に込み合うから、おすすめできない。でも僕らの地域でもやるよ。」とのことでした。
私が滞在していたのはタイ東部の小さな町(村?)でしたので、そこでコムローイ祭りを体験できるのは素晴らしいと思いました。
祭り当日、祭り会場に友人と行くと、打ち上げるランタンはどこにもなく、代わりにバナナの葉を渡されました。
というのも、バナナの葉で作った小さな船にロウソクの灯をともし、川に流すという、かなり厳かな祭りでした。
この厳かな灯篭流しを「ロイクラトン祭り」といい、ランタンを打ち上げる派手なコムローイ祭りとは対照的ですが、友人曰く、こちらの灯篭流しスタイルが一般的で、タイ全土で行われているとのことでした。川の女神に感謝を捧げるとのことです。
てっきりランタンを空に上げるのだと思っていた私は最初驚きましたが、ロウソクの淡い光が川面を覆いつくし、ゆっくりと流れていく光景が好きでした。
当時は、タイのローカルな地で、言葉や文化の違いに翻弄されながらも忙しく研究していたころでしたので、川面を眺めながら、ほっと一息つける瞬間でした。
今は日本にいますが、せっかくの秋ですので、休みの日は秋の自然を楽しみに出かけようと思います。
執筆者:うずしお