天なびコラム

第7279話

2020年10月01日

サンマの異変

夏が終わると、すぐにスーパーには鍋料理用の食材が並べられるようになりました。色々な秋の味覚が食卓に上る時期が来ています。私の田舎の方では、少し前が梨の収穫のピークだったようです。
ところが、秋の味覚の代表格とも言えるサンマの水揚げ量が大きく減って、値段が高騰していることが近年問題になっています。2015年頃から不漁が続き、2019年の水揚げ量は統計開始以来最低だったというデータもありました。今年も不漁となることが見こまれている状況です。

不漁の原因は各国の乱獲にあるのでは、という見方が強いですが、海洋資源は数十年周期で変動する、という説があります。マイワシは1980年代に水揚げ量のピークを迎え、その後急減しましたが、これは単に獲りすぎによるものとは考えられないほどでした。サンマも長期的な海洋環境の変化によって、資源量が増減しているのではないかと見られています。
もっとも、いつかは資源量が回復するとしても、それまでに乱獲や温暖化のせいで大きなダメージを与えてしまうようなことがもしあれば、ずっと不漁のままとなってしまうかも知れません。サンマやイワシやウナギなど、身近だった魚が食べられなくなることがないよう、冷静な資源管理が必要です。


執筆者:北大路