天なびコラム

第8668話

2024年07月21日

広いこころ

全国的に厳しい暑さとなっており、関西でも18日頃からセミの鳴き声を耳にするようになりました。
私は田舎育ちではあるのですが生きている虫が苦手で、どんどん立派な合唱になるセミの声に震えながら過ごしております。
蝶やトンボなど基本的に無害そうな虫でもついつい避けがちです。
昔はダンゴムシが好きだったりと今ほど虫が怖くなかったのですが、いつの間にこんなことになってしまったのか……原因がまったく思い出せませんが、何かしら嫌なことがあったのでしょう。

セミに限らず、夏になり増えてきた虫たちに戦々恐々としつつ通勤路を歩いていますが、電車の中も油断なりません。
電車にトンボやセミなどの虫が入ってくる確率が高くなります。
また昨年大きく話題になったカメムシも、よく電車内に潜んでいます。
先日、電車内でカメムシがてくてくと足元を歩いていて、気づいた女子高生たちがびっくりしている場面に遭遇しました。
が、カメムシはドアへ向かって歩いて行き、ドアの隙間をぬって外へ。
女子高生たちは「え、カメムシめっちゃ賢い!」と感動しており、嫌悪感しか持っていなかった私としては、虫の生態や凄さについて考える余裕が自分にはなかったな、と深く反省したのでした。
カメムシは2mmくらいの隙間があれば通過できるそうです。
なるほど自宅内にいつの間にか虫がいることがあるのはこういう原理なのだな、と外へ出て行ったカメムシを見て理解しました。
虫の生態も学びつつ、ちゃんと苦手なものにも素直に「すごい!」と言えるような、広い心を持ちたいと思った出来事でした。


執筆者:いろごはん