天なびコラム

第6839話

2019年07月19日

雨に弱い場所だった

西日本豪雨から間もなく1年が経過しようとしていた先日、今度は九州南部で記録的な大雨に見舞われました。
活発な梅雨前線の影響により、連日にわたり24時間で何百ミリという大雨が降りました。

大雨の中心は鹿児島や宮崎でした。
祖父母宅は宮崎南部の鹿児島寄りで、今回の大雨で避難指示が出たエリアでもあります。
夏の降水量が多い宮崎でも類を見ない降り方でしたが、幸いにも親戚含め全員無事でした。

改めて見直すと祖父母宅は大雨に強くない立地であったことに気付きました。
まず気になるのは河川。
家から歩いて2〜3分の所に比較的大きな川が流れており、ネットではその川のリアルタイムの水位も見ることができました。
雨のピークだった7月3日頃、家から1番近い水位観測ポイントは氾濫危険水位の1歩手前である避難判断水位まで達し、そこよりも下流の地点では氾濫危険水位を超えていました。
いつ氾濫して祖父母宅が浸水してもおかしくなかったのです。

また、鹿児島を中心とした九州南部のエリアは、火山噴出物が堆積した地層が広がっています。
社会科で習う「シラス台地」です。
少し車を走らせた所ではシラスの掘削が行われており、白い急斜面も昔から数多く見かけましたが、シラスは水はけが非常に良くて柔らかく、水を吸うと更にもろく崩れやすくなります。
シラスが身近にある土地は、大雨が降ると崖崩れが発生しやすいのです。

危険な崖はシラスだけではありません。
ハザードマップを確認すると、家から少し歩いた所に「土砂災害警戒区域」と「土砂災害特別警戒区域」が。
よく知っている場所なので思い返すと、そこは国道沿いで、高いフェンスでガードされた切り立った崖とまるで壁のように生い茂った森がある所でした。
正直、“特別警戒”区域に分類されるのも納得の光景です。

これだけ考えると、今回無事だったことに安堵する一方で、次また大雨が降ったら大丈夫だろうかと心配にもなります。
これからは台風も心配になる頃です。
自身だけでなく遠方のご家族の立地も確認し、お互いに防災意識を高めて支え合えるといいですね。


執筆者:そふぃー