天なびコラム

第6840話

2019年07月20日

古傷が痛む

数年前に骨折した中指がなんとなくじんじんと痛みます。時折痛みを感じますが、それは曇りや雨の日が多いです。
身近でも天気が悪いと節々が痛むとか頭痛がするとかよく聞きますが、みなさんの中にもそう感じている方はたくさんいるのではないでしょうか。
これは気のせいやたまたまではなく、実際に気圧の変化が私たちの体に大きく影響しているといわれており、天気痛ともよばれています。
痛みが生じやすくなる理由としては、
@体内で炎症物質であるヒスタミンが分泌されることで痛みが出る
A体内の血液循環機能が妨げられ、水分で膨張した組織が神経に触れて痛みが出る
B耳の中にある気圧センサーが反応して交感神経が活発になり、血管を収縮させるノルアドレナリンという物質が分泌されることで神経を刺激し痛みが出る
などが考えられています。
天気痛については実験でも証明されており、人工的に気圧を変えられる部屋で慢性痛のある患者さんの様子を見たところ、気圧を下げ始めると痛みがピークに達したそうです。
また、気圧が下がったまま一定だと痛みが治まり、気圧が上がった後にも痛みが強くなることから、低気圧そのものというよりは、気圧の上がり下がりの変化が痛みにつながっているといわれています。
天気痛を解消するためには、痛みのある部位を温めて血行を良くしたりストレッチをするのも良いですが、天気痛を発症しやすい人は耳が敏感な場合が多いため、両耳をやさしくつまんで上下横にひっぱってみたり、ゆっくり回してみたりと内耳の血流をよくするマッサージで自律神経を整えるのが効果的だそうです。
天気痛はつらいですが、こういった仕組みを知ると、人の体ってすごいなぁとあらためて感心してしまいます。気圧変動が頻繁な今の時期を、体をいたわりつつ上手に過ごしたいです。


執筆者:まる