天なびコラム

第7103話

2020年04月08日

霞と暇

4月に入り日もずいぶん長くなってきました。昼間は窓を開けていても肌寒く感じなくなりました。時おり桜の花びらが舞い込んでいる様子を見るとほっこり春を感じます。
ところで春といえば霞の季節ですが、この字を見ていると「暇」と似ていることに気が付きました。実はこの2つは同じ字を持ちます。
「霞」の下半分と「暇」の右側に共通するこの字は「覆う」「かぶせる」意味を持ちます。だから雨冠がつくと、小さな水滴が空を覆っている「かすみ」になります。では日ヘンがつくとどうなるか。これは太陽が覆うというわけではなく、日常にかぶさった様子を示しています。そのため「いとま」「ひま」になります。
何かとたいへんな時期ではありますが、霞んだ空を眺めながらお家でゴロンと暇を楽しんで春を感じるこころは持っておきたいです。

執筆者:西