天なびコラム

第7239話

2020年08月22日

天気をどう見るか

長かった梅雨とはうってかわって猛暑が続く今年の夏。
この暑さの原因として、太平洋高気圧とチベット高気圧による「2階建ての高気圧」や「布団が2枚重ねの状態」などと説明されることがあります。
しかしこの表現についてはどうやら、気象予報士の間で賛否両論あるようです。
あまり込み入った話はここではしませんが、簡単に言うと「2つではなく1つの大きな高気圧なのではないか」というのが議論の的のようです。

これは、前回私がコラムに書いた、良い天気とは何かという問題にも似て、意味がいろいろに解釈され誤解をまねきやすい言葉なのが問題だと言えます。
言語というのは、物事を切り分けて表現するという性質がありますが、気象現象は連続体なので、どうしてもうまく言葉に表現できないことがあります。
「2つではなく1つの大きな高気圧なのではないか」という問題はまさにそうですね。
正確に理解するには、安易に言葉に切り分けず、まずはありのままのその現象を見るのが一番近いと思います。
幸いにも現代の技術では、観測やシミュレーションによる予測はかなり良い精度でできていています。
なので、まだ夏らしい猛暑や、突然の雷雨に見舞われたりすると思いますが、こまめに気象情報を見て対策をしていきましょう。


執筆者:ありんこ