天なびコラム

第7664話

2021年10月21日

〇か×か

先日衆議院が解散し今月末衆議院議員選挙が行われることになりました。
また衆院選と同時に最高裁判所裁判官国民審査も行われています。
衆院選と比べると国民審査はあまり馴染みがない方も多いと思いますが、最高裁判事が任命されてから最初の衆院選の時に同時に行われることになっています。
これは内閣の指名に基づいて任命された(任命は天皇が行う)裁判官がその指名が適切かどうか国民に対して判断を促すために実施されます。
普通の選挙であれば、候補者が列挙された投票用紙に〇を書きますが、国民審査では罷免させたい人の欄に×を書きます。
ただ最高裁の裁判官に関しては国会議員とは異なり日々ニュースに出るわけではなく、また多くの人は最高裁判所に関わる機会が限られているため、実際に罷免された判事は今までいないそうです。
その一方で投票所でまず先に〇を記入した衆院選の投票の次に、「×を書く」用紙を前にすると「どれか一つに×を書かなければいけない」という衝動に駆られる人が一定数存在するらしく、集計をすると一番左の人の票が一番多くなる傾向になることが多いそうです。
自分が一番左の人だったらと思うと結果が出るまで落ち着かない気がします。でもここに名前が書かれる人はそんな些細なことで動揺はしないのでしょうか。
10月31日、〇で運命が分かれる人もいれば、×で命運がかかる人もいる、そう考えると〇と×の重みはとても重いものだと感じます。

執筆者:くじらのお